認知症になる前に考えたい遺言・任意後見|大府市のななつぼし行政書士事務所

認知症になる前に考えたい遺言・任意後見|大府市のななつぼし行政書士事務所

認知症になる前に

認知症になる前に考えておきたいこと


遺言書や任意後見契約など、将来に備える制度の多くは、ご本人がその内容を理解し、自分の意思で判断できることが重要です。


認知症と診断されたからといって、直ちに遺言書を作成できなくなるわけではありません。


しかし、判断能力が低下すると、遺言書や契約の有効性が後になって問題となる可能性があります。


「まだ元気だから大丈夫」と考えるのではなく、ご自身の希望を十分に伝え、自分で決めることができる段階で将来について考えておくことが大切です。



遺言書を作成するには遺言能力が必要です


遺言書を有効に作成するためには、遺言者本人が遺言内容を理解し、その結果を判断できる能力が必要です。


単に文字を書くことができる、会話ができるというだけで判断されるものではありません。


誰が相続人となるのか、どのような財産を所有しているのか、その財産を誰に承継させようとしているのかなどを理解したうえで、自分の意思として遺言内容を決める必要があります。


判断能力が大きく低下した後に遺言書を作成すると、相続開始後に「遺言を作成した時点で遺言能力がなかったのではないか」と争いになる可能性があります。


認知症の診断だけで遺言が無効になるわけではありません


認知症という診断を受けているという事実だけで、当然に遺言書を作成できなくなるわけではありません。


重要なのは、遺言書を作成した時点で、その方が遺言内容を理解し、自分で判断する能力を有していたかどうかです。


認知症には症状や程度の違いがあり、初期の段階では十分な判断能力を有している場合もあります。


一方、症状が進行して判断能力が大きく低下すると、有効な遺言書を作成することが難しくなる場合があります。


遺言書は判断能力が十分なうちに作成することが大切です


遺言書は、ご本人が亡くなった後に財産をどのように承継させるのかを定める重要な書類です。


作成時の判断能力に疑いがあると、せっかく遺言書を残しても、その有効性をめぐって相続人間で争いになる可能性があります。


将来の財産承継について希望がある場合には、年齢にかかわらず、判断能力が十分な段階で検討しておくことが重要です。


高齢の方は公正証書遺言を検討する方法があります


公正証書遺言は、公証人が遺言者本人の意思を確認しながら作成する遺言です。


公証人が関与して法律で定められた方式に従って作成するため、方式上の不備による問題を防ぎやすく、遺言公正証書の原本も公証人側で保管されます。


高齢の方や、ご自身で自筆証書遺言を作成することに不安がある方の場合には、公正証書遺言を検討する方法があります。


ただし、公正証書遺言であれば、どのような状態でも必ず有効になるわけではありません。


公正証書遺言についても、遺言者本人に遺言能力が必要であることに変わりはありません。


状況によっては医師の診断書などを準備することがあります


高齢である場合や、認知症の診断を受けている場合などには、遺言作成時の判断能力が後に問題となる可能性を考え、医師の診断書などを準備することを検討する場合があります。


診断書があるからといって遺言の有効性が必ず保証されるわけではありません。


しかし、遺言書を作成した時点における本人の状態を示す資料の一つとなる場合があります。


どのような準備が必要かは、ご本人の年齢、健康状態、家族関係、財産内容、遺言内容などを踏まえて検討します。


遺言書だけでは生前の財産管理はできません


遺言書を作成しておけば、本人が認知症になった後に家族が本人名義の預貯金や不動産を自由に管理できるようになるわけではありません。


遺言は、原則として本人が亡くなった後の財産承継について効力を生じるものです。


本人が生きている間の財産管理や契約手続きに備える場合には、遺言書とは別の制度を検討する必要があります。


任意後見契約で判断能力低下後に備える


任意後見制度は、ご本人の判断能力が十分なうちに、将来判断能力が低下した場合に備え、支援をお願いする人や、その人に任せる事務をあらかじめ決めておく制度です。


任意後見契約は公正証書によって締結します。


現在の制度では、その後ご本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することで任意後見契約の効力が生じます。


遺言書が亡くなった後の財産承継に備えるものであるのに対し、任意後見は判断能力が低下した後の本人の生活や財産管理を支援する制度です。


なお、任意後見制度については改正法が成立しており、今後制度の一部が変更される予定です。


元気なうちからの財産管理には財産管理委任契約があります


判断能力は十分にあるものの、身体が不自由になった、入院した、金融機関へ行くことが難しくなったといった場合には、財産管理委任契約を利用することがあります。


例えば、一定の預貯金管理、費用の支払い、契約手続きなどについて、信頼できる方へ委任する方法です。


任意後見契約が開始する前から一定の支援をお願いしたい場合には、財産管理委任契約と任意後見契約を組み合わせる方法もあります。


定期的な確認には見守り契約があります


現在は一人で生活できていても、将来の判断能力や生活状況に不安がある場合には、「見守り契約」を利用することがあります。


定期的に連絡や面談を行い、ご本人の生活状況や判断能力の変化を確認します。


任意後見契約を締結している場合には、将来、任意後見制度を開始する必要が生じていないかを確認する役割として利用することもあります。


家族信託を検討する場合もあります


将来の判断能力低下に備えて財産管理を行う方法として、民事信託、いわゆる家族信託を検討する場合もあります。


例えば、自分が所有する不動産などを信頼できる家族へ信託し、ご本人の判断能力が低下した後も、信託契約で定めた目的や権限の範囲内で管理や処分を行えるようにする方法があります。


ただし、家族信託だけですべての財産管理や生活上の法律行為に対応できるわけではありません。


遺言、任意後見、財産管理委任、家族信託などはそれぞれ役割が異なるため、ご本人の希望や財産内容に応じて検討する必要があります。


亡くなった後には死後事務委任契約があります


任意後見契約は、ご本人が亡くなると終了します。


そのため、葬儀、火葬、納骨、住居の明渡し、医療費や施設利用料の精算、各種契約の解約など、ご本人が亡くなった後の事務まで準備しておきたい場合には、死後事務委任契約を検討することがあります。


遺言、任意後見、見守り、財産管理委任、死後事務委任は、それぞれ役割が異なります。


ご本人がどこまで準備しておきたいのかによって、必要な制度を組み合わせて考えることが大切です。


判断能力が低下してからでは選べない制度があります


遺言書、任意後見契約、財産管理に関する契約などは、ご本人が内容を理解し、自分の意思で判断できることが重要です。


判断能力が大きく低下してからでは、新たに任意後見契約を締結したり、有効な遺言書を作成したりすることが難しくなる場合があります。


「必要になってから準備する」のではなく、「自分で決めることができるうちに準備する」ことが重要です。


遺言書は後から変更できます


早めに遺言書を作成すると、「後で気が変わったら困る」と考える方もいらっしゃいます。


しかし、遺言者に遺言能力がある間であれば、新しい遺言書を作成するなどの方法によって、それまでの遺言内容を変更・撤回することができます。


家族関係や財産内容が変化した場合には、その時点の状況に合わせて遺言書を見直すことができます。


早めに遺言を作成することと、その内容に一生拘束されることは同じではありません。


家族に財産管理を任せたい場合こそ事前準備が重要です


「認知症になったら子どもが預金を管理してくれるだろう」と考えることがあります。


しかし、本人名義の財産は本人のものであり、家族だからという理由だけで、本人の判断能力が低下した後に自由に預貯金を引き出したり、不動産を売却したりできるわけではありません。


将来、誰にどのような支援や財産管理をお願いしたいのかについて希望がある場合には、判断能力が十分なうちに準備しておくことが大切です。


大府市周辺の遺言・任意後見・認知症対策のご相談


ななつぼし行政書士事務所では、大府市を中心に、公正証書遺言、自筆証書遺言、任意後見契約、財産管理委任契約、見守り契約、死後事務委任契約などについてご相談を承っております。


「元気なうちに遺言を作っておきたい」「認知症になった後の財産管理が心配」「将来は子どもに支援をお願いしたい」「亡くなった後の手続きまで準備したい」といった場合も、ご本人の希望やご家族の状況を確認しながら必要な準備を整理します。


不動産登記や家庭裁判所での手続きなど、他士業の専門業務が必要となる場合には、司法書士や弁護士などと連携して対応いたします。